糖尿病について
健康診断は受けた方がよいのでしょうか。
これにはさまざまな解釈がありますが、糖尿病やコレステロール、中性脂肪、メタボリック症候群など、生活習慣病の発見につながる場合は少なくありません。将来の大病の予防につながります。ぜひ特定健診や定期健康診断、人間ドックを受けてください。
糖尿病とはどんなものでしょうか。
膵臓で作られるインスリンは糖を血液から内臓に取り込んで利用させる働きを持っており、いわば血糖を下げる大切なホルモンです。糖尿病はインスリンが不足するか、あるいは働きが悪くなって高血糖が続くことで起きる病気です。発症したばかりでは体に感じる症状はないことも多いのですが、疲れやすいなどの症状で気づかれる場合もあります。
また年余に進行すると、失明に至る目の病気、脳卒中、心筋梗塞などの心臓病、透析が必要な腎臓病、などをもたらします。あるいは全身の血管が狭く詰まりやすくなり、末端の神経が効かなくなったせいで、足や指の先端が腐って切断を余儀なくされる場合もあります。これらが糖尿病の合併症です。
健康診断や病院にかかったときの検査は、糖尿病や合併症を発見できる可能性があり、大きな病気を未然に防ぐチャンスです。気になる方はぜひご相談ください。
糖尿病の検査にはどのようなものがあるでしょうか。
糖尿病を疑う第1の検査は血液検査です。空腹時血糖とHbA1cをチェックします。HbA1cは「ヘモグロビン エーワンシー」と読みます。
血糖値は直前に食べ飲みをすれば値が大きく高くなり、逆に食べなければ低くなる数値です。そこで食べ飲みの状況にルールを決めて測定します。前日21時からは水やお湯だけにして、それ以外の水分と食べ物を控えて、当日の午前中に採血をします。これが空腹時血糖です。
HbA1cですが、ヘモグロビンという血液の赤い色素のうち、糖と結合したものの割合を示す数値で、過去2か月の血糖の状況を表します。採血直前に食べたかどうかに依らない、いわば通信簿です。
ほかに、あまりにも血糖値が高いと尿中に糖が漏れ出てきます。尿糖で糖尿病が疑われる場合もあります。
過去の検査で血糖値が高かったようです。どのようにしたらよいでしょうか。
これまでの採血を見返してみて、「ひょっとして血糖値が高いのかな?」と思ったら、まず、その採血の時は以下のような状態ではなかったかを思い出してみましょう。
◆かぜや腹痛など、何らかの病気で体調が悪いとき
◆食事やおやつ、お菓子や甘い飲み物などを食べ飲みしてから2時間以内の採血だった
この場合は糖尿病とは無関係に血糖値が上がっていることがあり、正確な判断はできません。
しかしそれでも血糖値が200以上であれば、やはり糖尿病の可能性があります。
血糖値の解釈が難しい場合は、クリニックを受診して医師と相談しましょう。必要であれば検査を行います。
糖尿病の診断はどのようにされるのでしょうか。
空腹時の血糖値が126以上、あるいは食事の条件が不確かなとき(随時血糖)が200以上の場合は「糖尿病型」の血糖です。HbA1cが6.5以上の場合は「糖尿病型」のHbA1cです。血糖値もHbA1cも両方が糖尿病型であったとき、糖尿病と診断されます。どちらかが糖尿病型の場合は、時期を置いた再検査などを経て糖尿病と診断される場合があります。
ひとくちに糖尿病といいますが、みな同じなのでしょうか。
糖尿病は大きく2種類に大別されます。まずは、糖尿病の種類や性質をよく調べましょう。
1型糖尿病
なんらかのきっかけで身体に免疫異常が起き、膵臓のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊されて、インスリンが作られなくなって起こります。しばしば子供時代に発症することがあります。
2型糖尿病
両親からの遺伝で、インスリンがもともと出にくい体質であったり、運動不足や脂肪の過剰な摂取などの生活習慣の結果、インスリンの働きが悪くなる条件が組み合わさって発症します。日本の糖尿病患者のほとんどはこのタイプです。
その他に遺伝子の異常や肝臓や膵臓の病気が原因となるもの、妊娠糖尿病などがあります。
2型糖尿病の治療はどのようにしたらいいでしょうか。
糖尿病初期の段階であれば、食事療法と運動療法がメインとなります。
初期の段階であれば、食事を減らしたり、運動を少し増やしたりするだけで血糖が改善することも少なくありません。まずはわずかな気配りからはじめてみませんか。無理なく始めるためのポイントをご紹介いたします。
もし進行している糖尿病であれば薬物療法が必要となります。
薬物療法には血糖を下げるための血糖降下薬という飲み薬と、注射があります。インスリンが不足してしまった方のためのインスリンも注射です。
近年の糖尿病治療薬の進歩は目覚ましいものがあり、発売された薬の性質は多種多様となり、薬の性能はより一層高くなりました。使いやすいお薬が昔より見つけやすくなっています。
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