血圧を測りましょう
待合室に自動血圧計を入れました。
どうぞご自由にお測りください(小学生以上)。
「自分は血圧が高いんじゃないか。」 あるいは、「最近血圧が上がってきたんじゃないか。」
もしそうお感じになったら、まずはご家庭で、血圧を測ってみませんか。
血圧を測ることは素晴らしい習慣です。
なぜ血圧を測るのでしょうか。血圧が高いのはなぜ良くないのでしょうか。
血圧が高いまま年余を経過すると、動脈がいつも高い圧力を受けて緊張して固くなり、動脈硬化が起きてしまうからです。
また、内膜といいますが、動脈の内貼りの膜が傷つき、その隙間からコレステロールが入り込んで膨れ上がり、血管の中は狭くなります。そうなると血小板という血を固める細胞が付いて固まりやすくなってしまい、血管の中はますます細くなってしまいます。
高血圧のせいで動脈硬化が進行すると血管が詰まりやすくなります。脳ですと脳梗塞、心臓ですと心筋梗塞や狭心症を起こしやすくなります。
高血圧の人は、そうでない人に比べて、心筋梗塞や脳梗塞に2倍~3倍なりやすいことが知られています。
また、血管の壁がもろくなって破れやすくなり、脳出血やクモ膜下出血、あるいは大動脈解離を起こしやすくなります。
いずれも命に関わる大きな病気であり、仮に一命をとりとめたとしても、大きな後遺症を残すことが少なくありません。
リハビリ病院には、高血圧から重い病気になり、障害のために長いリハビリ生活を送っている方が入院していました。中には30代から50代の方で、これまでどおりの仕事や生活が出来なってしまった方もいらっしゃいました。
ご本人やご家庭の将来を心配する、ご家族の姿を痛々しく覚えています。
血圧計を買った方が良いでしょうか
血圧が高い方は、ぜひ血圧計を購入してください。
最近は数千円でも高性能な自動血圧計がたくさん出回っています。
日本高血圧学会が推奨しているのは、上腕(二の腕)に巻いて測るタイプのものです。
血圧はいつ測れば良いのでしょうか
朝は起床後1時間以内。トイレを済ませて、朝食や薬を飲む前に測ります。夜は床に入る前が良いでしょう。
いずれも、食事や入浴の直後を避けて、椅子に座って、1~2分以上落ち着いてから測ります。
測定中は会話を避けましょう。
血圧はいくつなら良いのでしょうか
ご自宅で測った場合は、上の血圧が135未満、かつ下の血圧が85未満なら「正常」です。診療所ですと上が140未満、下が90未満です。
上か下のどちらかが上記の値を超えてしまいますと「高血圧」になってしまいます。
一度でも135/85以上が出たら高血圧ということになるのでしょうか
難しいところです。血圧は日々絶え間なく変化しています。
激しく運動した後なら高いですし、食事、飲酒、入浴の直後も普段とは大きく違う場合があります。
また、気候や緊張、感情など、その時の細やかな条件によっても違います。
本当に血圧が高いかどうかを知るには、どうしたら良いでしょうか
血圧手帳をつけましょう。
例えば朝と夜、それぞれ1週間分の血圧が分かると、1回のばらつきに惑わされない、正確な判断がしやすくなります。
もし高血圧だった場合、どうしたら良いでしょうか
高血圧には、本態性高血圧という、特別な原因が見つからない高血圧と、何らかの原因があって高血圧になっている二次性高血圧の2種類に大別されます。
生活習慣病と見なされている一般的な高血圧は、本態性高血圧です。
二次性高血圧の主な原因は、ホルモン異常、腎臓の血流の異常、腎不全などです。その他、睡眠時無呼吸(詳しくはこちら)があります。睡眠時無呼吸が長年続くと二次性高血圧になってしまいます。睡眠時無呼吸が高血圧の「隠れ犯人」である場合も少なくありません。
もし高血圧だった場合は、まずそれが二次性高血圧でないことを確認しましょう。本態性高血圧とは治療法が根本的に違うからです。クリニックを受診して診察や検査を受けましょう。
もし二次性高血圧であった場合は、治療法について医師とよく相談しましょう。
本態性高血圧である場合は、食事、運動など生活習慣、お薬が治療の三本柱です。医師とよく相談しましょう。
高血圧だと一生薬を飲まなければいけないのですか
当院では、まずは十分にお話を伺うことを大切にしております。
まず血圧手帳をつけていただき、当院でも血圧を測り、検査をいたしましょう。
そして血圧が高い場合は、治療をしたらどうなるか、しない場合はどうなるかを説明いたします。
治療法のうち、食事や生活習慣はとても重要なものです。まずはそれらをじっくり取り組むのも良いですね。ポイントやコツもお教えいたします。また、もし試してみたいアイデアがあればおっしゃってください。血圧を下げるためにお勧めできるか、まずお話を伺いたいと考えております。
血圧が下がらない場合はどうなるか、下がる秘訣や、そのために必要な考え方は何か、それらも合わせて説明してまいります。
血圧の管理は細かそうだし面倒くさいです
普段お忙しくされていて、血圧のことばかり気にしていられないという方も多いことと存じます。
ここまでご説明した血圧の管理方法は全て理想の方法であり、学生さんのテストで言えば模範解答のようなものです。
一方で高血圧は、たとえ細くとも長い管理が大切になります。全力で100点を取ってすぐ飽きてしまうよりは、70点を毎日取っていただきたいのです。
そのためには、おおらかな管理法が少し混じっていても良いではありませんか。それが当院の考え方です。
当院では、血圧管理の手抜きのポイントもお伝えしてまいります。
血圧について、しげみつファミリークリニックが出来ること
- 血圧に関するお話やご相談を伺います
- 血圧手帳をお渡しいたします
- 待合室の自動血圧計をご自由にお使いください(小学生以上)
- 診察室で血圧測定をいたします
- 血圧が高い場合、診察と二次性高血圧の検査を行います
- 睡眠時無呼吸(詳しくはこちら)が疑われる場合は、検査をいたします
- 二次性高血圧の治療を、他院と連携して行います
- 本態性高血圧の場合は、食事、生活習慣のご指導をいたします
- 血圧のお薬についてご説明いたします
- 血圧のお薬は院内処方できるものがございます
- 合併しやすい 高脂血症(コレステロールや中性脂肪)、糖尿病、動脈硬化の検査をいたします
- 皆様の血圧管理を支え続けます