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ぜんそく

気管支ぜんそく

ぜんそくとは何ですか

気管支ぜんそくとは、体質のために気管支に炎症があることです。炎症はアレルギーや感染、なんらかの刺激(寒気、大気汚染や煙など)が加わるとさらに強くなり、気管支が細く締まってしまいます。これによって咳き込み、ゼーゼーヒューヒューした呼吸音になり、呼吸が苦しくなります。これがぜんそく症状です。

咳やゼーゼーしたときだけ治療をすればいいですよね

以前は、ぜんそく症状が発作的に強く出た時に、薬を飲む、吸入する、点滴するといった「発作止めの治療」が中心でしたが、現在は、発作だけを止めるのではなく、症状が全く無くなることを目標にする治療が重要だと言われています。その理由についてご説明いたします。

気管支ぜんそくは、症状が落ち着けば楽になる病気ですので安心している方も多いかも知れませんが、軽い症状でも、気管支の炎症は残り続けていると言われています。つまり、軽い症状を残したまま長年過ごして、以前の「発作止め治療」だけをしていると、気管支は炎症で影響を受け続け、次第に気管支そのものが細く厚いまま固まってしまい、元に戻らなくなってしまいます。専門的には「気道のリモデリング」といいます。こうなりますと、いつも咳き込んで苦しく、発作が起きても治りにくい、病原菌を排出できずに肺炎を起こしやすい、そういう晩年になってしまう恐れがあるのです。

図1

以前から、「ぜんそくの方は、実際の状態よりも、自分の状態を甘く見がち」だと言われています。ある研究では「ぜんそく症状が全くない」と答えられた患者さんの約4割に、実際は咳や痰があったそうです。感じ方としては慣れてしまっているのかも知れませんし、かぜのように「つらくなくなればそれで大丈夫」と思いたいのかも知れません。しかし気管支の炎症は続いていて、細く固まってしまうリスクはお伝えしたとおりです。

ぜんそく症状を抑え切りましょう。そのためには、楽になったら止めてしまうのではなく、細く長く治療を続けることが大切です。

図2

ぜんそくは治りますか

確かにぜんそくは体質のようなものであり、体質を完全に治してしまう方法はありません。しかし、治療を続けて、症状が全く出ないという状態で長年安定させることができれば、細く固まるリスクは最小限に抑えられますし、ぜんそくのない人と全く変わらない生活が送れるのです。そうやってぜんそくをコントロールしながら活躍されている著名人は意外に多く、なかには一流のプロスポーツ選手やオリンピックのメダリストもおられるくらいです。

ぜんそくの治療はどんなものですか。かぜ薬でもいいですか。

治療の中心となるのは気管支の炎症を抑える薬であり、ステロイドを吸入剤にしたものや、一部のアレルギーの飲み薬です。吸入剤によって最小限のステロイド量で済むようになっているのです。吸入剤の種類、薬効の量も様々であり、粉末を自力で吸い込むもの、スプレーのように噴射するものや、それらを補助する器具など、治療の選択肢もずいぶん増えてきました。患者さんのご年齢、薬を吸う力、合併症など、個々の患者さんの状態に合った治療を始め、その後のご意見やご感想を伺い、最善の薬剤に調節していきます。真のオーダーメイド治療は、患者さんと一緒に考えていきたいと思っています。

是非、お気軽にご相談ください。なごやかに、何でも本音で話し合えるクリニックを目指しています。

咳ぜんそく

咳ぜんそくと風邪の咳は違うのですか

近年、長引く咳の原因や診断として、「咳ぜんそく」という名前をよく耳にするようになりました。その本態は、ゼーゼーヒューヒューや呼吸苦ではなく、咳だけを症状とした気管支ぜんそくであり、やはり体質的なものです。咳ぜんそくの約30%が本格的な気管支ぜんそくに移行すると言われています。治療も気管支ぜんそくと全く同じで、じっくり腰を据えた治療、管理をご提案するべきものです。「咳ぜんそく」の診断、治療、管理は慎重にしていかなくてはならないと考えています。<長引く咳>についてもご覧ください。